少し前から「プリント柄のカミロボ」というテーマで
新しいタイプのカミロボを作っています。
「プリント柄のカミロボ」とは
カミロボの表面に既存の平面グラフィックを貼り付けて表現するカミロボのことで、
例えばこんな感じのものです。
皆様おなじみのブルボン「ホワイトロリータ」の包み紙で作りました。
ホワイトロリータの包み紙を厚紙に貼り付けて
細かく切り抜いて針金でつないでいます。
そしてこれは、宅急便の「ワレモノ注意」のシールを
厚紙に貼り付けて作ったものです。
お菓子の箱に印刷されたデザインを
ロボットの模様の一部として使うことは
小学生の頃からたまにやっていたことではあったのですが、
全身にプリント柄として取り入れるようになったのは
昨年、和紙のカミロボを作った時からでした。
これは「雛千代」という模様の和紙で、
お雛さまの畳の縁に使われる模様です。
和紙の裏を厚紙で補強して使いました。
そして次の写真は歌舞伎の隈取が刷られた和紙で作ったカミロボです。
こういった表現方法でカミロボを作るようになったのは、
カミロボの造形的な特徴を
自分自身、再認識するようになったのがきっかけでした。
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カミロボの構成要素を分解してみると、
「半分が立体」で「半分が平面(=絵)」の要素でできています。
例えば、市販のキャラクターもののフィギュアや
緻密に作られたペーパークラフトなどの立体物の場合は
細かなディテールの全てを凹凸で再現するのが普通ですが、
カミロボの造形法の場合は
「絵(平面)」で済ませている部分がかなり多いと言えます。
これは、感覚的には分かっていても
今まであまり強く意識しなかったと言うか、
無自覚だった部分ではありました。
でも、そういう無自覚だった部分を再認識するようになると、
今まで自分が普通にやっていた事の見え方が
ちょっと変わるような感覚がありました。
で、そこで思いついたのです。
カミロボの構成要素の半分が平面なのだとしたら、
その特徴である平面(=表面の絵)の表現を
既存の様々な模様に差し替えてみたら
新しい見え方になるんじゃないだろうか…と。
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そんな経緯でプリント柄カミロボを作り始めたのですが、
こういった表現の場合は「箱組みロボット」的な表現ではなく
丸みのある人体的なフォルムで作ることが大事だと
試行錯誤の中で気がつきました。
それはどういう事かと言うと、
例えば、いかにもロボット的な四角い箱組みスタイルで表現してしまうと
元のグラフィックの「箱」としての印象や
見慣れた感じの「平面の絵」としての印象が残りすぎて
新鮮な違和感が生まれにくいように感じたのです。
やはりこの場合は、平面グラフィックが
丸みのある人体フォルムに対して
タトゥーのようにピタッと沿っていることが大事なんだろうな…と思いましたね。
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「プリント柄のカミロボ」として作ってきたものを他にも紹介すると、
例えば1/60ガンダムのプラモデルの箱絵で作ったものだったり
葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」の
ポストカード5枚を使って作ったり
高島屋の紙袋で作ってみたりもしました。
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平面の印刷物なら何でもカミロボ化できそうですが、
いくつか作っていると
デザイン的な落とし込みがすごくうまくいく時と
そうでもない時があるようにも思うので、
何をチョイスするかは結構難しいものがありますね。
例えば、ガンダムの箱絵のカミロボはバッチリ仕上がっても
ザクの箱絵で作ってみたらこれが全然ダメで、
表現方法に対してデザイン的な相性の良し悪しがあることを強く感じました。
まぁそういう意味では
デザイン遊びとして奥が深いと言うか、勉強になる事も多いので、
これからも思いついた事があったら
どんどん形にしていこうかな、と思っています。 |